NAMM SHOW 2015にて、Avidより発表されたPro Toolsの無償版、「Pro Tools First」!
業界標準のDAWであるPro Toolsの一部機能縮小版でもあるPro Tools Firstは、
誰でも使用出来る無償版とあって注目を集めています。
※2015年2月1日現在では、まだリリースされておりません。事前情報となります。
>>Pro Tools 12/Pro Tools First詳細(宮地楽器 Avid Zone Pro 記事)
本記事では、改めて、Pro Tools Firstは何が出来るのか、有償版のPro Tools Softwareとは何が異なるのかをまとめました。
下記表は、各バージョンのPro Tools ソフトウェアの比較表になります。
※1 … Pro Tools Firstでは、保存できるセッションは3曲のみとなります。
セッションを追加したい場合は、有償オプションで可能です。
ただし、プロジェクトが完成しファイナル・ステレオ・ミックスへエクスポートした後で、そのプロジェクトを削除すれば、新しいプロジェクトをスタートするスペースを再度確保する事もできます。
※2 … Pro ToolsとPro Tools Firstは、セッションの互換性がありません。
有償のPro Tools同士であれば、セッションの互換性はあります。Pro Tools First同士は、クラウド・コラボレーション機能が対応となったら、セッションをシェアすることができるようになります。
ただし、※1でもご案内したように、それぞれでステレオファイルにバウンスすれば、オーディオデータをインポートすることは可能です。
※3 …Pro Tools First と他のバージョンのPro Toolsを、同じコンピューター上にインストールする事が可能。
Pro Tools Firstの登録及びアクティベートが完了すれば、最大3台までのコンピューターにインストール可能。
※Pro Tools Firstは基本iLokは必要としませんが、iLokへのアクティベートも可能です。
↓以下、Pro Tools Firstのスクリーンショット、使用出来るプラグインのスクリーンショットです
Pro Tools Firstのプラグインフォーマット「AAX」の対応に関しては、アップ内で購入したAAX Native 64 および AAX AudioSuite 64 追加プラグインのみをサポートしています(他社製プラグインは使用できません)。
iLokが必要なプラグインもPro Tools Firstにて使用可能ですが、アップ内購入の形でAvidマーケットプレイスより購入したものに限ります。
(プラグインを使用する際はiLokは挿した状態でPro Tools Firstをご使用ください。)
続いて、Pro Tools Firstで気になるのがクラウドプロジェクト。Pro Tools First内で制作したデータをクラウドに保存して、アクセスさえすれば他の人でもPro Tools Firstのデータを開けるという機能です。
※Pro Tools Firstのリリース乃際に、このクラウドプロジェクト機能が使用できるとは限りません。追加機能となる場合があります。
前述にて簡単にご説明させて頂きましたが、もう少し掘り下げて解説させて頂きます。
まず、クラウドプロジェクトは3曲まで無料で使用でき、保存が可能です。
4曲以上を同時に保存したい場合には、Avidより有償オプションで購入する事が可能です。
また前述の通り、Pro Tools Firstにて制作したセッションファイルを、他のバージョンのPro Toolsで開く事はできません。
しかし、オーディオファイルの読み込みは可能なので、Pro Tools Firstで制作したセッションファイルを他のバージョンのPro Toolsに読み込みたい場合は、
一旦1トラックずつステレオファイルにバウンスしてから、他のバージョンのPro Toolsへ読み込めば、使用出来ます。
※逆も然りで、他のバージョンのPro ToolsセッションファイルをPro Tools Firstで開く事はできませんが、オーディオファイルは読み込み可能なので、一旦1トラックずつステレオファイルにバウンスしてから、Pro Tools Firstへ読み込めば使用出来ます。
2015年中にAvidよりリリース予定のクラウドコラボレーション機能が拡張されれば、オンラインにてPro Tools First同士のセッションのシェアが可能になります。
例えば、ギターをレコーディングして、バック演奏をPro Tools Firstで打ち込みで制作したセッションファイルを、そのまま他の人のPro Tools Firstで共有・編集する事が出来るようになる訳です。
余計なライセンス管理を必要とせずに、Pro Toolsの基本機能を使用する事ができ、Pro Tools Firstだけでもある程度のところまでは音楽制作できます。
「DAWってどんなことができるの?」「業界標準といわれるPro Toolsで制作してみたいけど、ちょっと難しそう」「iLokでのライセンス管理が分かりづらい」、そんな方にはうってつけではないでしょうか?
しかし、Pro Tools Firstで制作して自分のスキルが上がってくると、機能性に限界を感じることもあると思います。
Pro Toolsバージョン比較表をご覧頂くと、Pro Tools Firstのそれぞれのトラック(オーディオ・MIDI・インストゥルメント・Aux)は、それぞれ最大16トラックです。
「ドラムを、スネアやタムといった各種類別で分けてレコーディングしたい」「バックで各パートごとにオーケストラを入れたい」という時などは、どうしてもトラックが足りなくなります。
プラグインでも、他社製の製品は使用出来ないので、「もっとリアルな音質の音源プラグインで作りたい」「ミキシングやマスタリングをもっとこだわりたい」という方などは、有償版のPro Toolsを購入した方がよろしいでしょう。
通常版(有償版)ですと、トラック数もオーディオは最大96、インストゥルメント64、MIDI512、Aux128と増えるので、より質の高い音楽制作ができます。
「Pro Tools Softwareを使用するのは初めて!」という方は、まずはPro Tools Firstをご使用いただくことをおすすめします。
Pro Tools Firstの使用方法は、Pro Tools有償版のものとほとんど変わりません。
Pro Tools Firstから導入してスキルを上げて通常版へ移行すれば、業界標準のソフトをすんなり使いこなせるかと思います。
- 2015.01.31 Saturday
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