>>そもそもDadmanとは??
Dadmanは、Pro Tools | MTRXの様々な設定やルーティングをコンピューターでコントロールできるソフトウェアです。RME製品をコントロールする、Totalmix FXと同じようなものですね。
このDadmanをインストールするには、Vol.1でも書いた付属品のレジストレーションカードを使い、Avidアカウントで登録する必要があります。登録が終わったら、AvidアカウントでDadmanソフトウェアをダウンロード/インストールします。
※この登録により、Pro Tools HD v12.6以降でDigilink接続のI/Oをオーソライズするための「Digilink I/Oライセンス」も取得できます
>>Pro Tools MTRXのBase Unitのみで、Dadmanを起動
Dadmanをインストールしたら、コンピューターとPro Tools | MTRXをイーサネットケーブルで接続し、Dadmanを起動します。
※Dadman(Base Unitのみ):上部がConnections Section、下部がGeneral Section
Dadmanで、Pro Tools | MTRXを認識させると、このように表示されます。
Base Unitには、AD/DAがないため、Dadmanの上部にはこれらAD/DAが表示されません。
Connections Section:マトリックス上でパッチする
Pro Tools MTRXに装備された様々な入出力がここに表示され、このマトリックス上でパッチできます。音が出ない場合には、ここの設定が誤っている可能性が高いです。
General Section:設定を行えます
ここでは、同期設定やPro Tools HD インターフェイス、MADIなどの設定を行います。
>>Base UnitをHD MADIとして動作させ、チェックを行う
Pro Tools MTRXのBase Unitは、レビューのVol.1でも表記しましたように、AD/DAが含まれていません。
ただし、Digilink端子が2つ(32ch x 2)、AES-EBU入出力(8ch)、そして同軸(コアキシャル)のMADI入出力があります。この、Digilink端子2つとMADI入出力に着目すると、Avid社から発売されている「HD MADI」に非常に近いとスペックといえるでしょう。
実際に、MADIの信号をこのBase Unitに入力し、Pro Tools HD Softwareでモニターしてみました。
まず、Pro Tools HDXもしくはHD NativeのDigilink端子2つを、Pro Tools MTRXに接続します。
※今回はHD Native Thunderboltに接続
※Pro Tools MTRXの背面
※HD Native Thunderboltの背面
そして、MADIの信号をRME Madiface XTから出力し、Pro Tools MTRXのMADI入力(コアキシャル)にインプットします。なお、Pro Tools MTRXのMADI出力(コアキシャル)をさらにMadiface XTに入力し、信号をチェックしました。
つぎに、Dadmanを使って、設定を行っていきます。まずはサンプリングレートやクロックの設定です。次のように設定しました。
※Sync設定
※Pro Tools HD設定
サンプリングレート:48kHz
※Madiコアキシャルに準ずる設定
クロックソースは、MADIコアキシャル
※MADIを出力しているRME Madiface XT本体のクロックソースは、Internal(内部)
Pro Tools HDモードは、2xPri
※Port 1とPort2は、HD MADIに設定
次に、Dadmanのマトリックスでパッチします。
Dadmanのデフォルト状態では、なにもパッチされていません。
今回は、Pro Tools MTRXのMADIコアキシャルに入力されたMADI信号の1chと2chを、Pro Tools HD で録音し、そしてPro Tools MTRXのMADIコアキシャルからMADI信号を出力してモニターしたいので、以下のようにパッチしました(画像2枚)。
※MADI コアキシャル → PHD1へパッチ
Pro Tools MTRXのMADIコアキシャルに入力されたMADI信号の1chと2chを、Pro Tools HD1の1chと2chにそれぞれパッチ。
このマトリックスの左にある、上から下に表示されているのが、入力されているMADIコアキシャルの信号(64ch)です。パッチしなくても、どのchから音が入力されているかは、メーターを見ることで確認できます。
パッチをすると、左から右に表示されているPHD1にもメーターでふれて信号がきていることが確認できます。
ちなみに、PHD1とは、Pro Tools MTRXのDigilink端子の1つめで、PHD2とはDigilink端子の2つめです。つまり、Pro Tools上では、PHD1は1-32ch、PHD2は33-64chとして認識されます。
※PHD1 → MADIコアキシャルへパッチ
次に、Pro Tools HD Softwareで出力する1chと2chを、Pro Tools MTRXのMADIコアキシャルの1chと2chにパッチ。
そして、Pro Tools HD Softwareを起動して、Pro Tools MTRXが正しく認識され、信号が正しく入力/出力しているかどうかをチェックします。
※インプット
※アウトプット
I/O設定で入力と出力のタブを確認しましたが、どちらも64ch認識されています。
また、ステレオのオーディオトラックを作り、入力を1-2ch、出力を1-2chに設定。音を確認しましたが、問題なく入出力できました!
次回のレビューVol.3では、オプションであるAD/DA拡張カードを増設して、動作チェックを行います。
Dadmanでは、AD/DAセクションが表示されますので、見え方が若干変わってきます。どうぞお楽しみに。
>>Pro Tools | MTRXの関連リンク
Pro Tools | MTRX Review Vol.0(Avid Zone Pro):http://m-avidzonepro.jugem.jp/?eid=134
Pro Tools | MTRX Review Vol.1(Avid Zone Pro):http://m-avidzonepro.jugem.jp/?eid=137
Avid社の紹介ページ:http://www.avid.com/ja/products/pro-tools-mtrx
サポートページ:http://avid.force.com/pkb/articles/ja/faq/Pro-Tools-MTRX-Support
価格情報の公開ページ(Avid Zone Pro):http://m-avidzonepro.jugem.jp/?eid=123
Avid社の国内リリース情報:http://www.avidblogs.com/ja/pro-tools-mtrx-available/
Pro Tools | MTRXの簡易レビュー記事(AES SHOW レポート):http://mp-review.jugem.jp/?eid=331
- 2017.10.30 Monday
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